MOTA
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MOTAの変遷

はじまりは
「自動車業界DXを
加速させたい」
という挑戦心

MOTAが産声をあげたのは、1999年6月のこと。当時は社名を「オートバイテル・ジャパン」といい、米国オートバイテル社の日本法人として設立されました。プロダクトは当時米国で流行した「新車の一括見積もりサービス」。その成功事例をもって日本に進出しましたが、米国の自動車文化と日本のそれとは異なることも多く、苦戦が続いていました。そして2016年夏、経営環境はさらに悪化し同社は窮地にさらされていました。そこで同社は経営体制を刷新。これまでの主戦場であった新車の販売促進サービスから、自動車流通全体を俯瞰したDXに軸足を移していくこととなりました。5兆円規模とも言われる日本の自動車流通は、その巨大さと複雑さゆえにDXが進んでおらず、旧態依然とした非効率な状態が続いていたからです。この経営方針の転換にあたって、新しい社長として招聘されたのが20代の頃から起業家としてキャリアを積んできた佐藤大輔でした。しかし、佐藤はこのオファーを固辞します。

佐藤 大輔

勝率の高そうな
プロジェクトだけを
選んでいないか

佐藤が招聘を拒否した理由は2つ。1つ目は、佐藤は前職リクルート時代に、自動車流通領域での事業開発を研究しており難易度の高さを体感として持っていたこと。2つ目が同社の経営状況やケーパビリティ。厳しい状態の同社を率いて、巨大な自動車流通の変革は難しいと考えたからでした。ただ佐藤はこの決断について、「本当に良いのだろうか」という思いも抱えていました。というのも、佐藤が起業家として生きてきた背景に「世の中の課題を解決し、変化を起こしていくことで、社会に貢献したい」という思いがあったからです。「たしかに自動車流通は巨大で複雑。変革やDXはかなり難しいと思う。ただ自分がやりたかったのは、そういう大きなことにあえて挑戦し、社会貢献することじゃないか。これまで小さな成功と年を重ねてきたことで、プライドばかり高くなってないか。失敗を恐れ、勝率の高そうなプロジェクトだけ選んで仕事をするようになってるんじゃないか。そんなものを望んで、自分は何がしたいのだろうか。それでも、自分は本当に起業家と言えるのか」と。「自分は今年で40歳。仕事人生では折り返しかもしれない。もう一度困難でも、挑戦して、世界を変えよう」そう思い至り、佐藤は2018年に社長となることを決断したのです。

壁にあたっても
前進をやめない

社長となった佐藤は、自動車流通を変革しうるサービス開発を行う前に解決すべき課題をもっていました。それは、赤字経営からの脱却。当時、同社は長年続いた赤字経営によって社員のモチベーションは大きく低下していました。そこで佐藤は伸び余地のある既存商品に次々とテコ入れを行い、就任初年度で黒字転換を実現。社員も少しずつ自信を取り戻し、優秀なメンバーも入社してくるようになりました。一方で、黒字化後に取り組み始めた本種本流の自動車流通をDXするサービス開発は難易度が高く、産みの苦しみが続きました。なかなかカスタマーに刺さらない。ピボットを繰り返すも、事態は好転しませんでした。「あの頃が一番苦しかった」と佐藤は振り返り、「それを突破できたのは、メンバーの支えがあったからこそだと言います。サービスがなかなかマーケットフィットせず、営業チームは顧客からお叱りを受けるし、プロダクトチームは結果がついてこないことに疲弊もしていた。でも、誰一人弱音を吐かず、みんなでとことんサービスに向き合い、考え抜いたんです。最後のピボットは、驚異的な集中力とチームワークで、企画からローンチまでわずか1ヶ月で実現できたんですが、これは私自身も驚きました」と語ります。そのサービスこそMOTAの急成長を支えることとなるMOTA買取でした。

2年間の辛抱でつかんだ、
成長率200%の種

MOTA買取サービスは、自動車流通の起点ともいえる、車の売却カスタマーをサポートするサービス。当時、車の売却というと「一括比較サービス」が中心でしたが、多数の買取企業に一括で査定依頼ができる一方、大きな問題を2つ抱えていました。1つ目は申込み後、買取企業から掛かってくる多数の電話。多い場合は100本を超える量で、「電話を止めろ」と、多くのカスタマーから大変な不評を買っていました。2つ目は比較査定と言いながら、比較できない点。一括比較査定サービスの多くはオンラインで売却額は提示されず、買取企業が自宅に呼び査定してもらわないといけません。そして大半のカスタマーは、相場感がわからないまま、最初に来た買取企業に説得され売ってしまう。つまり何の比較にもなっておらず、単に早く来た買取企業を見つけるサービスとなってしまっていたのです。MOTA買取はこういった問題を解決……、つまり電話数を減らし、買取企業をしっかり比較し、高い売却額を実現できるサービスとして開発されました。具体的には、カスタマーの個人情報を隠した状態で最大20社の買取企業に入札をしてもらい、高額入札した3社だけに個人情報を公開することで、カスタマー、クライアント双方にフェア・トレードを実現したのです。入札で20社をもれなく比較、その後は交渉価値のある3社しか電話がこないこのシステムは、リリース当初から多くのカスタマーの高評価を獲得。一括比較サービスとしては圧倒的に後発だったにもかかわらず、2023年には国内でもトップレベルのサービスに成長していきます。

世界中に、
もっとフェア・トレードを

事業成長が進むなか、2019年には会社のアイデンティティでもある社名の変更が行われました。新しい社名は「MOTA」。この社名には同社のありたい姿「価値のあるチャンスを、誰もが平等に掴める。人びとの自由な好奇心と挑戦こそが、世界を変えていく。MOTAは挑戦と探求で、そんな世界を実現していきます。」という思いが込められています。そのありたい姿を端的に表現したのが「MOVE ON, TRAVEL AROUND(挑戦と、探求)」であり、MOTAはその頭文字から取られています。そして2024年、高い成長を実現してきたMOTAは新たなミッションとして「世界中に、もっとフェア・トレードを」と掲げ、自動車DXに加えて新たなる領域への挑戦を開始し、佐藤はこう意気込みます。「自動車流通DXは主戦略として、中長期スコープで続けます。一方で、これまでの成功事例を活かして、まだまだできることがあります。実際、世の中には自動車以外にも多くの課題がある。中でも私たちは、人生を左右するような重要なイベント……例えば不動産やキャリア、結婚といった領域に課題感を持っているんです。そして、私たちの強みを活かせば、それを解決できるんじゃないかと考えている。だからやっていこうと。そして、誰もが公平に、公正に機会を掴める。フェア・トレードを、もっと世界中に作っていきたいと考えています」